たびたび話題にした Blender はオープンソースのプロジェクトだ。

大概のオープンソースのプロジェクトは、経済的にかなりキビしい制約の下、開発が行われていると聞くが、Blender はここら辺はかなり余裕があるようだ。

大手IT企業からの援助・協力がひっきりなしにあるようだ。

最近では adobe がスポンサー企業の一つになったことが、公式ページで明らかにされている


blender_sponsered_by_adobe



ところで、オープンソースのプロジェクトが成功するかどうかの条件に関して(私が勝手にメンターの一人認定している)猪股弘明先生(精神科医にして HorliX の開発者)が、『オープンソースの世界』で面白い考察を述べていた。

目玉の数さえ十分あれば、どんなバグも深刻ではない」という箴言を引用しましたが、この言葉は「目玉の数が不十分な場合、バグは深刻なものになりうる」とも取れるでしょう。

やはり、ユーザーの数や活発なコミュニティが重要なんですね。

オープンソースの成功例としてよくあげられる Linux カーネルの開発は、この条件をよく満たしていると思います。

これはソフト自体の特徴、つまり

・誰もが使う機会が多く、汎用的である

・システムの基本部分を受け持ち、透明性への要求が高い

ことから、この要求を満たしやすかったんでしょうね。

一方、医療系のソフトはなかなかこの条件を満たしにくいですね。

これは、まあそうでしょうね。

Blender はアプリですから、Linux カーネルあたりから比べると、ちと立場が弱いですが、これだけ普及してしまうと、汎用性を獲得していっているといってもいいし、各種アドオンの開発のためには、ソースコードが公開されている必要性は高いでしょう。

さらに、有力企業からの経済的支援。

しばらく、安泰かな。


Maya なんかは、ちょっとお気楽には買えないソフトという事情もあるし(笑)。


(追記)3.1 からは、ついに arm Mac にもネイティブで対応!
ついでに書いておくと、上でちらりと触れた医療系の画像ソフトだが、例えば、HorliX というプロジェクトは、現状バージョンの修正ではなく、全く一から書き直すそうだ。(→ PHORLIX プロジェクトへ)
なんでかなと思っていたのだが、ソースコードを覗いて納得。
GUI が全て Xib ですね(笑)。
現状の MacOS GUI 開発環境のメインは storyboard です。
Metal の陰に隠れて、あんまり言われてないようですが、普通に考えてオワコンですよね。